個性といじめ
先日の陸上競技の授業で変わった光景を目にしました.それは,走り高跳びの時間に,「今までの既成概念にとらわれず,新しい跳躍を作ってみよう」という問いかけをしたときでした.「それでは跳んでみようか」という号令の後に,積極的な学生達は,どんどん既存の跳び方以外の跳び方で跳んで見せます.しかし,しばらく経つと,殆どが前の人と同じ跳躍をするようになりました.しまいには,4人とか5人が並んで,バーを越えるのです.しかも,こちらの問いかけは無視して,4人から5人が同じ跳躍で跳ぶ.
この人と違ったことをすることへの嫌悪感というのは何なんでしょうか?個性を主張できない個人と,個性を主張したとしてもそれを尊重できない組織.危ないグループだなぁと思いました.言論統制みたいなものを受けているに近い.
個性を尊重できない組織で,個性を主張すると何が起こるかと言うと「いじめ」です.変わり者を変わり者として許容する能力が無いから,その者をいじめることで排除しようとしたり,大勢のうちの一人にしようとしているのです.
並んで跳んだこのグループの行動を見ていると,日本の世の中から「いじめ」がなくならない理由が良く分かります.なくなりようが無いわ.しかも,当然ですが,このグループに所属している学生も教員志望ですから,このまま教員になってしまうかもしれません.そして,個性を許容できない組織に所属する個性を主張できない教員に育てられた子供達は...悪循環だな.
並んで跳んだグループに所属する諸君.世の中の成功者は殆ど君達の言う変わり者だぞ.変わり者の全てが成功するわけではないけど,変わり者でなければ成功しないだろうな.もっと言うと変わり者でなければ失敗も出来ない.並んで跳んだグループに所属する諸君.成功も失敗もしない人生で楽しい?
ただ,彼らは被害者だと言うこともできます.つまり,個性を主張する方法を今までの教育が教えてこなかったということです.この点は我々教育職に就く人間が真摯に受け止めなければならない点です.
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